敷地西側の既存道路擁壁の高さは道路が坂道になっているおり、6.2m〜1.9mの高さがある。
建物を敷地中央に配置し、2階の床スラブを道路レベルに合わせていくことで空間の骨格をつくりだしているが、
それは同時に南北両側に敷地の空隙≒庭をつくりつつ、心地よい天井高の室内空間を生み出すことに繋がっている。
1階室内からみると道路擁壁は適度なプライバシーを確保するとともに、夏場の西日をカットする効果もあるため、ガラス開口を無理なく成立させる一助となっている。
冬場は南側の公園の木々の葉が落ち、夏場とは逆に深い日の光が室内に行き渡る。
コンクリートの躯体は熱を溜めやすい性質があるため、冬の晴れの日は昼間1階窓面のカーテンを開け放ち、熱を溜めて過ごすようにしている。
1,2階のコンクリートスラブ間の高さは3612mm。型枠パネルが無駄なく組める寸法となっている。
同様にコンクリート壁・柱の寸法や間取り、天井スラブのパネル割りについても無駄のない寸法を適用。
コストを抑えつつ、均整のとれた表情をつくるようにしている。