あだち内科クリニック/A clinic

所在地 :茨城県牛久市
主要用途:診療所
竣工  :2013年12月
敷地面積:1545.82u
建築面積:242.03u
延床面積:239.10u
規模  :地上1階
構造  :木造
構造設計:鈴木啓/A.S.A
照明設計:内藤真理子/コモレビデザイン
ロゴデザイン:横山博昭/morld
施工  :関根工務店
写真  :淺川敏(一部 小長谷亘)
担当  :瀧波龍太郎


>>HP

市街地のはずれにゆったりと建つ内科+睡眠時無呼吸症候群診療のクリニック。
クリニックとしてロードサイトの風景に埋没しないような建ち現れ方を考えつつ、多様な内部空間を内包できるような建築をめざした。

待合・診察室・処置室・検査室など一般的な内科診療所の諸室に加え、睡眠時無呼吸症候群のための入院検査室やモニター室など、通常に比べ多くの諸室の設置が要求された。ただ必ずそのときどきで使用しない部屋が発生するため、単に必要諸室を並べていくだけでは、クリニックで働く人・患者さんの双方にとって少し不気味とも言える奥行き感を生み出してまうのではないかと感じた。
そこで建物中央に中庭をつくり、そのまわりに回廊型の廊下を設け更にそのまわりに諸室を配置し、建物外周から中庭に向けて高くなっていく斜め天井として計画とした。廊下と諸室との間の壁の上部はガラスとしているので、昼間は外の光が諸室を通して天井面にリフレクトしながら入り、夜は使用している部屋の灯りが廊下にもれる。クリニック全体が常になにかしらの空気がつながっているような計画としている。

平面は正方形とし45°の角度で屋根の角が交わる非常に単純な方形屋根としている。屋根と外壁はガルバリウム鋼板の平葺きで統一し、ややとりとめのないロードサイドの風景の中から解き放つ意味も込めて、少し完結性の高い形状と質感を持たせるようにした。ただし尾根ラインを交点に不整形に穿たれたの中庭を設けることで外観に表情をだしている。
歪な中庭形状は内部においては待合スペースの空間の広がりをもたせるだけでなく、裏側では処置待ちの小待合の空間を生み出したり、バックヤードの部屋が並ぶ一画では患者さんの出入りを柔らかく制止するような細い廊下をつくりだしたりもしている。

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