多摩川の土手沿いに建つ家族5人の家。
限られた敷地形状と厳しい法規制の中、最大限の広さの住空間を確保しつつ、いかに川の風景を取り込んでいくかを考えた。
道路を含む土手の高さは敷地の地盤面から3.5m程度。視線の高さによって見える風景も大きく変わってくる。
1層目は目の前に土手の緑が。2層目は視線が土手の高さを超え大きな空が。3層目になるとようやく広大な河川敷の向こうに川の流れが見えてくる。
風景と親和性のある水平窓を3つの層各々に設け、それぞれの風景の違いを楽しめるとともに、
玄関ホールや廊下、階段を窓沿いに配置することで、家の中の移動の際にも風景が楽しめるような計画とした。
土手の道路の高さはちょうど1層目と2層目の間の腰壁となり、車や外を歩く人と少し視線がずれるようになっている。
1階には個室群と収納を兼ねたオープンな土間空間。
2階は半分が吹抜のLDKと水廻り。限られた高さの3階は屋根裏のような部屋とルーフテラスを配置。
屋根の形状・角度は北側斜線から決定されたものではあるが、水平窓から入った光が反射をして、家の奥まで光を満たすような役割も持っている。
1階の土間空間の奥の書斎は、将来カフェにも変換できるよう設計されている。