都市の中に建つ家族4人のための家。
敷地は住宅、小さな商業ビル、マンションなど様々なサイズの建物が混在する街の中あり、南側には計画建物よりも高いビルが建ち並ぶ。
限られた季節・時刻でしか太陽の光を取り込めないような状況の中で、どのようにして自然の光を感じつつ、心地よい住空間とするかを考えた。
この家の特徴は2階のLDKに設けられた、大きくカーブする木貼りの天井。
道路のある北側は3.2mまで天井高を上げ、天空光(大気中の水蒸気や塵などによって拡散されるか、雲から反射されて達する光)を取り込む。
天井は南側に向かいつつ低くなるが、南側壁面付近で大きくカーブして3階部を突き破るように屋根まで達し、トップライトを通して空へと繋がる。
深いトップライトからの光は、ほとんどの季節は室内の壁面間で反射を繰り返しながら人のいるスペースまで柔らかく届くことになるが、
特別に夏の一時期のみ直射光として降り注ぐ。
都市の中にいても季節の、一日の光の違いを感じられる計画となっている
2階は北側の道路に向けて大きな開口を設けつつも深いバルコニーを設けることで、街と繋がりつつも少しだけ道路からプライバシーを確保できるようにした。
3階はカーブ天井により発生する床の段差が、そのまま部屋の分節となっている。
2階の壁はモルタル塗りとして、光の過度の反射を抑える質感としている。